授業№39 実存主義①(キルケゴール・ヤスパース・ニーチェ)

T.Q.「キルケゴールとニーチェそれぞれの実存主義の違いとは?」

T.A.
キルケゴールは実存の三段階を美的実存、倫理的実存、宗教的実存とし、単独者として信仰を選ぶ宗教的
実存を重視する有神論的実存主義であった。ニーチェはキリスト教道徳を受動的ニヒリズムとして否定し、
「神は死んだ」と唱え、能動的ニヒリズムで新たな価値を創造する超人であるべきであると主張する無神論的
実存主義の立場をとった。

2022(R4)年度

1月31日(火) 

※最後の授業なので、全員掲載します。…っていうか、みんな「名作・力作」です。みんなとの週に2回の倫理の授業は、とても楽しくて
充実した時間でした。授業が生徒と先生のコラボレーション(「共同作品」)であることを、実感できました。「ほぼ」1年間、ありがとう
ございました。

「ニーチェ」

僕には、ニーチェの考え方が心に響いた。なぜなら、「どんなに苦しい時も、それを乗り越えた者が超人」という言葉を胸に、この先、
生きていきたいし、色んな事に挑戦していきたいから。

授業担当者からのコメント:こんなに素晴らしい「ウルトラ80」が書けるようになったあなたは、「書けなかった自分」を乗り越えた超人です! 
             生徒
の成長は、先生にとって何にも勝る喜び!

「(運命を愛する)」 ※( )内は授業担当者

今までの自分は、どんなことからも逃げてきた。(しかし、)この倫理の授業を通して、「現実から逃避せずに、自分自身を生きよう」
「『自分ならでは』を見つけて、自分の運命を愛して生きたい」と思った。

授業担当者からのコメント:「アナ雪」の劇中歌、「レット・イット・ゴー」を思い出しました。「ありのままの姿見せるのよ ありのままの
             自分になる
の」「これでいいの自分を好きになって これでいいの自分信じて」…みたいな。

「ニーチェ」 ※( )内は授業担当者

自分の弱さ(甘さ)を正当化することは良くないと、あらためて感じた。なぜなら、それ(自分の弱さや甘さ)を認めることができないと、
今後、自分自身が成長することができないと思うから。

授業担当者からのコメント:なるほど、自分のことを「かわいそうな人間」と思っている人は、自分の可能性(他者も含めた人間の素晴らしい
             可能性)
を信じられない人なのでしょうね。そしてニーチェの言う奴隷道徳(「かわいそうな自分は、かわいそう
             だからこそ天国に
行けるから別にいいや」と思って、自分を正当化する道徳。キリスト教を自分勝手に「悪用」する
             考え方。「神を殺した」
のは、そんな「近代人」)は、こういう生き方にNG(「NGのNは『のびしろ』」)を
             出しているのですね。全ての人間を励ますために!

「(実存主義の考えを忘れない)」 ※( )内は授業担当者

これからの社会、人生を生きていくために、実存主義の考えを忘れずにいたいです。そして、周りの人に合わせるのではなく、自分の好きなこと
やしたいことを胸を張ってやれる、言えるようになりたいです。

授業担当者からのコメント:「周りの人に合わせるのではなく、自分の好きなことやしたいことを胸を張ってやれる」という言葉に、私自身の
             経験を重ね
合わせました。そして歌いたいです。
             ~♪~どこまでやれるか
 自分を試したいの そうよ変わるのよ私~♫~(「アナ雪」の劇中歌、「レット・イット・
             ゴー」の一節)

「(ニーチェ)」 ※( )内は授業担当者

僕はニーチェの「自分の弱さ(甘え)を正当化」(という考え方)を聞いて、「確かに」と納得してしまった。(そして、)私は、お金持ちとか
(権力者)を悪と考えていたけど、自分で努力し(たり、「よく生きる」ことによっ)てそうなった人もいると考えてみることにした。

授業担当者からのコメント:そういえばソクラテスも言っていましたね。「大切なのは魂への配慮。お金や権力にばかり心を配って生きていくのは
             NG。
ただしお金持ちや権力者になること自体は悪いことじゃない。魂に配慮しながらよく生きた結果、お金や権力を
             集める人も
いる。お金や権力をよく生きることに使える人もいる」って。「学校の先生」も、生徒や保護者にとっては
             間違いなく権力
者です。私はその権力を、「目の前の生徒や保護者と一緒に、よく生きることに使えているかなぁ…」
             と自問自答してしま
います。

「自分の体験。人生で。短い」 ※( )内は授業担当者

私の友達が鬱になり、私に頼ってきた時、友達が「自殺しよ」とか言っていて、「もう限界状況だったんだな」と思いました。(また、)その話の
中で友達は、「自殺する人は死ぬという勇気を持っていて凄い」と言っていて、私も「確かに」と思いました。まぁ、ちゃんと話し合ったりして一応
大丈夫になったので、安心ですよ!!

授業担当者からのコメント:授業が終わった後、あなたから「もしかして、先生も誰か大切な人を亡くしているんじゃないですか?」と訊かれましたね。
             …泣き笑いでその質問に答えた私の人生経験を、とても
豊かな表情で聴いてくれたあなたの優しさは一生忘れません。
                  「心で握手」した気持ちになりました。

「(人生は一度きり)」 ※( )内は授業担当者

今日の授業の初めに先生が「人生は一度きり」と言うのを聴いて、「本当にそうだ」と思った。だから、私はこれから色々な事に挑戦していこうと
思った。

授業担当者からのコメント:私が顧問・監督のバドミントン部の部旗には、次のような言葉が掲げられています。「We Will Try!! 
             ~挑み
続ける~」。もうすぐ還暦を迎える私も、あなたと同様に「色々な事に挑戦していこう」と思っています。私の
             「心の母校」
は寺井高校です。「We Are TERAI!!」(^_^)

「(言葉にしてみて分かる事)」 ※( )内は授業担当者

「自分の弱さ(甘え)を正当化」…、ものすごく心に刺さりました。(なぜなら、)自覚はないけど、生活の中でやっていることだし、見たりもして
いました。言葉にしてみて、やっと分かりました。

授業担当者からのコメント:「言葉にしてみて、やっと分かりました」の考え方に感激しました。なぜなら、まさに私が授業でみんなに伝えたかった事=
                   「哲学者や宗教家は、生きる意味や何が幸福かなどの分かりにくいテーマについて、分かりやすい言葉で説明していますよ」を、
             あなたがしっかり受け取っていることが確信できたからで
す。この約1年間、一番熱心に「ウルトラ80」に取り組んでく
             ましたね。「超人になるのは難しいけど、できるだけ頑張りま
す。でも、目標はソクラテスのように」と「意見欄」に書いて
                   くれているのも、「目頭が熱くなる」くらいうれしかったです。

2020(R2)年度

1月20日(水) 3C倫理

「奴隷道徳」 ※( )内は授業担当者

「金持ちや権力者は天国に行けない」という考え(奴隷道徳)は違う。なぜなら、貧しい人でも悪い
人は居るし、逆に金持ちなどにもいい人は存在するからだ

授業担当者からのコメント:私も同感です。そしてニーチェは、次のように伝えたいんじゃないでしょう
             か。「自分の(人間の)弱さや甘さを正当化し
ちゃダメだよ。弱いからこそ
             強くなろうとして頑張るんだし、
自分を甘やかさないで強くなろうね」
             (力への意志を発揮する
英雄道徳。これが「超人」の生き方)。ちなみに、
             矢沢永吉さ
んの生き方が、英雄道徳的ですよね。「俺はYAZAWAだ。
                   ビッグになるぜ!」…みたいな。「ロックな生き方」ってことかな。

「主体性・個別性」

人任せにして生きたり、人と同じ様に生きるのではなく、主体性・個別性を大切に生きる。だから
専門学校に行ってからやこれからも、自分の考えを持って行動する。

授業担当者からのコメント:あなたの「ウルトラ80」を読ませてもらって、「アナ雪」の劇中歌「レット・
             イット・ゴー」を思い出しました。「ありの
ままの姿みせるのよ ありのままの
             自分になるの」「これでい
いの自分を好きになって これでいいの自分信じて」
             …です
よね。

「(自分が嫌)」 ※( )内は、授業担当者

自分のことをプラスに考えたいと思っても、私にはそれができません。私は自分が嫌です。だから、どう
したら自分のことをプラスに考えられるのか知りたいです。

授業担当者からのコメント:最初に、あなたの悩みは「人間の悩み」として、それ自体に価値があります。
             そのことをイギリスの功利主義哲学者ミル
が、次のように表現しています。
             「悩まない愚か者よりも、悩
んでいるソクラテスでありたい」。悩むという
             ことは考えると
いうことなので、それはもう立派な哲学(人生哲学)の営み
                   なのですね。次に、上のコメントでも紹介した「アナ雪」を(まだ観ていな
             かったら)観て、生きるヒントをもらうとよ
いでしょう。倫理を学習した上で
             観ると、より一層楽しめる
と思いますよ。最後に、「あなたの持ち味は、みんな
             がプラス
に受け取ってくれていますよ」。

1月26日(火) 3K倫理

「死と向き合う」 ※( )内は、授業担当者

自分も、「あなたが子どもの頃に母親のお腹(なか)で、(あなたの)弟か妹か分からないときに(一つの命が)
死んだ」ということを、18歳になった時に言われた。(だから、)会ったことはないけど、本当は(存在して)
いたはずの自分の弟妹(きょうだい)がとても愛おしく、悲しくなった。

授業担当者からのコメント:自分より先に逝った大切な人(家族や仲間)の記憶(心や想い)に励まされたり、
             なぐさめられたりすることがあります。
それは、ある意味「一緒に生きている」
             ことなのではないで
しょうか。そして自分が逝く時も、誰かにとっての記憶に
             な
りたいと思います。決して単なる記録ではなく、豊かで人間的な記憶に。

「永劫回帰」 ※( )内は、授業担当者

永劫回帰の考えが、すごくしっくりきた。そして、永劫回帰(や運命愛)では、自分で目標を立てることが大切
だということが分かったので、目標を立てて生きていきたいと思った。

授業担当者からのコメント:3年生の学年目標「準備→挑戦→達成」も、目標を立てることの大切さを伝えて
             くれます。あと、私は部活で次のように
部員を励ましています。「成功に大切なのは、
             興味・目標・練
習・希望。語呂合わせで覚えるなら、『今日、木蓮(もくれん。春の
             訪れを告げる花)きれい』。バドミントンが好きで、チー
ム全体の目標や自分個人の
             目標を立てて、練習を頑張る。そ
して、バドミントンが上達して目標が達成されること
             に希望
を持ち続けよう。あきらめないで」と。

2019(H31→R元)年度

1月14日(火) 3I倫理

「哲学の使い方」「哲学の使い方」 ※( )内は授業担当者

(主体的で個別的な自分自身や、自分の人生の一回性を重視する)キルケゴールの考え方は、とてもいいと思った。そして
人生の中に「隠し味」くらいで色々な哲学の考え方を入れることにより、「いい人生」になるのかなと思った。

授業担当者からのコメント:なるほど、「隠し味」くらいで丁度いいのかもしれませんね。そうじゃないと、結局
             「押しつけがましく」なってしまうのかもしれませんね。


「(ニーチェのように)」 ※( )内は授業担当者

ニーチェのように、「生まれ変わっても自分になりたい」と思えるようになりたい。そしてそのためには、自分のことをもっと
好きになったり、自信をつけたりしなければいけないと思った。

授業担当者からのコメント:「アナ雪」の劇中歌、「レット・イット・ゴー」を思い出しました。「ありのままの
             姿見せるのよ ありのままの自分になるの」「これでいいの自分を好きになって 
             これでいいの自分信じて」…みたいな。


1月15日(水) 3K倫理

「ニーチェ」 ※( )内は授業担当者

「強者が悪で弱者が善」、確かにそんな人(例えば、悪い政治家や善い庶民)はいると思います。そして、自分のことを
「かわいそうな人間」(例えば、「自分はどうせ強くなれない」と思っている人)が少なくはないと思いました。

授業担当者からのコメント:なるほど、自分のことを「かわいそうな人間」と思っている人は、自分の可能性
             (他者も含めた人間の素晴らしい可能性)を信じられない人なのでしょうね。
             そしてニーチェの言う奴隷道徳(「かわいそうな自分は、かわいそうだからこそ
             天国に行けるから別にいいや」と思って、自分を正当化する道徳。キリスト教を
             自分勝手に「悪用」する考え方。「神を殺した」のは、そんな「近代人」)は、
             こういう生き方にNG(「NGのNは『のびしろ』」)を出しているのですね。
             全ての人間を励ますために! ニーチェ自身を励ますために!


「考え」 

ヤスパースの限界状況、包括者のことを学んだ私は、この考え方が好きだと思いました。なぜなら、人によって考え方が
違っていて、どのようにして暗闇から抜け出すかによって、その後に得られるものが違うと思うので興味を持ちました。

授業担当者からのコメント:「どのようにして暗闇から抜け出すかによって、その後に得られるものが違う」と
             いう考え方に、私自身の経験を重ね合わせました。そして歌いたいです。
             ~♪~どこまでやれるか自分を試したいの そうよ変わるのよ私~♫~
             (「アナ雪」の劇中歌、「レット・イット・ゴー」の一節)