授業№36 社会契約説(ホッブズ・ロック・ルター)

T.Q.「ホッブズ→ロック→ルソーそれぞれの社会契約説とは?」

T.A.
ホッブズは自然状態を性悪説的にとらえ、ロックとルソーは性善説的にとらえた。ホッブズは王権神授説は
否定したものの、国家主権を主張したのに対し、ロックは国民主権を主張した。ルソーはそれをさらに進め
て、各個人の特殊意志の合計である全体意志ではなく一般意志を中心とする社会を目指した。

2022(R4)年度

1月17日(火) 

「(ホッブズさんの考え)」 ※( )内は授業担当者

ホッブズさんが言っている人間の自然状態(人間の本性は自己中心的な悪なので、「万人の万人に対する戦い」「人は人に対して狼」が自然な状態)だと、
私も思います。ですが、人間の自然状態をそのように気づけていれば、逆にうまく生きることができると思います。

授業担当者からのコメント:なるほど、あなたが言うように、ホッブズや荀子の人間性悪説には「うまく生きる」上で役に立っていますね。それは、
 キリスト教の「全ての人間は原罪を犯している罪人」という考え方や、仏教の「全ての人間は苦しみにもがいている凡夫」
 という考え方にも通じますね。人間を単純に偉大な存在ととらえるのではなく、同時に悲惨な存在であると考えたのが
 パスカルだったように。ただし、人間には「よく生きる」という生き方があって、その「よさ」を各自が追い求める生き方には、
 私は基本、ロックやルソー、孟子の人間性善説が大事だと思います。

「ルソー」 ※( )内は授業担当者

ルソーの考え方は好きだ。なぜなら、直接民主政や全会一致(の決め方)は、この先(の日本や世界)にも大事な考え方だと思うから。

授業担当者からのコメント:間接民主政や多数決の決め方にも、タイパ(タイム・パフォーマンス。かけた時間に対する効果)やコスパ(コスト・パフォー
 マンス)が良いなどのプラス面がありますが、あなたが書いてくれているように、直接民主政や全会一致の決め方にも、みんなで
 考えてその考えが一致するまで話し合うことのプラス面があるからですね。現実的なやり方と理想的なやり方の両方を、場面に
 応じて使い分けることができたらいいですね。今のロシア(というよりプーチン大統領)が、国連の常任理事国の拒否権を悪用
 していることを思い起こします。

2020(R2)年度

2021年(令和3年)1月8日(金) 3C倫理

「(自分の考えを持って)」 ※( )内は授業担当者

ホッブズ・ロック・ルソーの考え方が(それぞれ)違うのは、一人ひとりが(自分の頭で)考えている
から出てくる考え方だと思う。だから、自分も考えを持って動きたい。

授業担当者からのコメント:なるほど。「みんなでホッブズを批判(否定ではない)するのが、今回の
 授業の目的です」などと私は宣言しましたが、あなたは、ホッブズが自分の
 頭で考えた社会契約説のプラス面(それまでの王権神授説=王の権力は神に
 授かったものを否定したということ)を、しっかりキャッチしているんですね!

「(みんなが善を目指す)」 ※( )内は授業担当者

人を性悪説で例えるよりも性善説で例えた方が良いと思いました。なぜなら、みんなで善を目指すことに
より個人だけでなく、みんなも一緒に幸せになれると思いました。


授業担当者からのコメント:「みんなで善を目指す」という持って行き方が大事だ、ということですね。
             バドミントンの大会で言うと、団体戦を頑張ったら(応援も盛り上がったら)、
             個人戦も頑張れたということかな? その結果、チームがさらに良くなるみたいな

1月13日(水) 3K倫理

「社会契約説とは」 ※( )内は授業担当者

人間は自己中心的な生き物だ。(しかし、)それを取り締まることによって、よくなっていくと思った。

授業担当者からのコメント:そうですね。ルール違反を罰金などで厳しく取り締まることによって、世の中が
  改善されることが多々ありますからね。例えば、自動車を運転する人が赤信号で
  止まることで、歩行者が安全に横断できることなどです。しかし、信号の無い
  横断歩道を渡ろうとしている人がいる場合はどうでしょうか?
 運転者にブレーキ
  をかけさせるのは、罰を受けるのが嫌だからではないでしょう。弱い人を助けると
  いう思いやりの心(良心)なのではないでしょうか? 社会をよりよくしていくのは、
  法律だけでなく道徳も大事だと思います。法律と道徳のコラボ?

「(ホッブズのプラス面)」 ※( )内は授業担当者

私は、ホッブズの考えが悪いとは思わない。なぜなら、この考えが無かったら、ロックやルソーの考えが出なかった
かもしれないからだ。

授業担当者からのコメント:なるほど。ホッブズにダメ出しをして、「NGのNは のびしろのN」であることを、
 ロックやルソーが実践したのですね!

「(今の日本に当てはめてみた)」 ※( )内は授業担当者

今回の政治的な話を聞いて、現代の状態を考えてみたら、今の現状が(ホッブズが主張する)「(国民が自分の
権利や力を)国家に譲渡」に近いように感じました。なぜなら、国民が主張していても、最終決定は国家が行って
いるように感じるからです。

授業担当者からのコメント:うーむ、深く掘り下げていますね。国家(政府)へのダメ出しも必要ですが、我々有権者
 の努力不足(勉強不足?)にも目を向けることが同時に大事なのでしょう。ん? まずは、
 MTのような「社会の先生」が頑張ることですよね!

2019(H31→R元)年度

12月16日(月) 3K倫理

「ホッブズ性悪説」 ※( )内は授業担当者

ホッブズは、人間というものを偏った目で見ていることが分かった。なぜなら、もっと広く見ればいいのに、
事実や(実際に)起こっている事をそのまま(ありのまま)見た上で真実を知ろうとしていないからだ。

授業担当者からのコメント:なるほど、これはベーコンの経験論哲学で言えば、「洞窟のイドラ(偏見)」
            (狭い視野や限られた自分の経験だけで、物事を判断してしまう独断)のこと
             ですね。ホッブズって人は、心を許せる友だちや、愛情で結ばれたパートナー
             に恵まれなかったのかもしれませんね。「人間っていいものだなぁ」とか
             「生きることは楽しい」とか、思えなかった人生だったのかもしれませんね。
             ちょっと、ホッブズ、可哀想かも…。


「(平和のありがたさ)」 ※( )内は授業担当者

ロックやルソーがいなかったら、今の様な平和な世の中(世界)にはなっていなかったのかもしれないと思うと、
すごくありがたいことだと思った。また、改めて平和なことがどれだけすごいことかが分かった。

授業担当者からのコメント:自由で平等で平和な自然状態(人間の本性は善だから)を維持したり、改善
             したりするためにこそ社会的な契約(約束)が結ばれたのですね。だからマナー
             もルールも、みんなで大事にする「約束」なのでしょう。「仲間を守ることが、
             自分を守ること」という考え方にも通じる哲学(政治哲学)ですね。


12月17日(火) 3I倫理

「譲渡」 ※( )内は授業担当者

(ホッブズの社会契約説で)国家(政府や君主)に自然権(生命・財産を守り、自由・平等に生きる権利)を譲渡して、
国家権力を作ろうという考え方は分かる。(しかし)それをしてしまったら、国家におびえながら生活し、自由がなくなると
思った。

授業担当者からのコメント:ホッブズは、国家や社会の秩序(を保つこと)を何よりも優先しているのかも
             しれませんね。そこで後回しにされるのが、個人の自由だったり権利だったり
             する…。学校に当てはめて考えてみたら…恐ろしい! 国家や社会が個人のため
             にあるのであって、個人が国家や社会のためにあるのではないですよね。アリス
             トテレスの「人間はポリス(社会)的動物」とか、和辻哲郎の「人間は間柄的存在」
             という考え方は、決して社会を個人に優先させるということではないのに。


「自然と文明を大事に」 ※( )内は授業担当者

将来、日本の都市などがビルで一杯になって、車が(空に)浮いていて、大きなタッチパネルが街にある(ようになるかも
しれない)。(しかし私は、)それよりも、ほどほどにそれらを造って、自然を壊さない(工夫や)努力もしたらいいと、今日の
授業で思った。

授業担当者からのコメント:ルソーの「自然に帰れ」という言葉が、「文明に毒されちゃダメだよ」の意味だと
             いうことがよく分かります。