授業№32 モラリスト(モンテーニュ・パスカル)

T.Q.「モンテーニュとパスカル、それぞれのヒューマニズムに対する疑いとは?」

T.A.
「私は何を知る?(ク=セ=ジュ?)」という言葉を残したモンテーニュは理性を不完全なものとし、
真理を求め続ける積極的な懐疑主義の姿勢をとった。また、パスカルは「幾何学的精神=理性
の論理」と「繊細の精神=心情の論理」を区別して、その両立の大切さを唱えた。

2020(R2)年度

11月4日(水) 3C倫理

「モンテーニュ」 ※( )内は、授業担当者 

モンテーニュの偏見や独断を否定する考えは、今のアメリカにものすごく大切なことだと
思いました。しかし、まだ人種差別にもとづく事件が起きているので、そういう(事件を
起こす人に、モンテーニュの思想を)学んで欲しい。

授業担当者からのコメント:今日、アメリカ大統領選挙の結果が明らかになりますね。私
                   は今のトランプ大統領や、彼を支持する人達にモンテーニュ
             の思想を学んで欲しいと思います。

「(パスカルの広い心)」 ※( )内は、授業担当者 

知らない人がミスするのを見ると、自然と「この人はミスをする人」となってしまう。だけど
たまたま(ミスしているだけ)かもしれないし、広い心を持って、いろいろ(な事情や要素に
ついて)考えられるようにしたい。

授業担当者からのコメント:なるほど、柿を盗んだAくんにどう接するべきかについて、あなたは
 「広い心=パスカルの繊細な精神」が大切だと考えているということ
 ですね。それは、モンテーニュの言う「寛(ひろ)い心=寛容の精神」
 に通じますね。2人のモラリストの共通点ですね。知らない人を知ら
 ないままにしておいて「この人はミスをする人」と決めつけるより、
 「本当はどんな人なんだろう」とその人を知ることによって、初めて
 どんな接し方がいいのか分かるのかも知れませんね。私(MT)と
 誰かさん達(本校の生徒)のように。

11月4日(水) 3K倫理

「理解」 

今日の授業で僕が思ったことは、人は自分が弱いことを知ってしまっているということは、よい
特性だということです。(つまり、それ)だからこその一人ひとりの物語があるし、楽しさもある
と思います。

授業担当者からのコメント:うーん、これは深い「ウルトラ80」です。強さというもの
                   は個人差が小さいようですが、弱さというものは個人差が大
                   きいような気がします。「それだからことの物語」ですか。弱
                   さにその人らしさが出ているのかもしれないですね。その自
                   分ならではの弱さを受け止めて、しっかり理解してくれる人
             (理解しようとしてくれる人)が人生をともに生きる理想の

                   パートナーかもしれませんね。

「私は決して教えない。ただ物語るだけである」 

とても奥深く、思い言葉だと思った。また、この言葉からモンテーニュの生き方が分かるし、どれだけ
寛容の精神を重視しているか感じることができた。

授業担当者からのコメント:「きれいごと」かもしれませんが、それが「生徒と先生のコラ
                   ボレーション」になっている理想の授業だと思います。これ
                   からも生徒の反発や他の先生達の無理解にぶち当たって、落
                   ち込んだり悔しい思いをし続けるのでしょうが、「学校の神
                   様」や「授業の神様」みたいな存在を信じて、私は「神様を
                   がっかりさせないように」頑張ろうと思います。

2019(H31→R元)年度

11月18日(月) 3K倫理

「繊細な精神」 ※( )内は授業担当者

私はテレビで事件のニュースを観たりすると、「本当にこの人は悪いのか? 放送されていないだけで、何か事情が
あったのではないか?」と考えたりします。だから、(パスカルが「大事だよ」と主張した)「繊細な精神」と一緒だなと
思いました。

授業担当者からのコメント:あなたは、とても優しい人ですね。パスカルのように。

「偏見」

福祉の授業を受けてから、自分は偏見という言葉や偏見の目で周りを見る人が大嫌いになりました。でも、今これを
書いていて思ったのですが、偏見の目を向けた人を嫌な目で見るというのも偏見なのではないでしょうか。

授業担当者からのコメント:あなたのように、物事を多面的・多角的に見て、考えることのできる人こそ、モンテーニュの
                 「寛容の精神」やパスカルの「繊細な精神」が豊かな人だと思います。

「人間の悲惨さ」

私は、人間が弱くて死ぬことを知っているのは悲惨ではないと思いました。なぜなら、死ぬことを知っているからこそ、
人生の使い方や人生で成し遂げたいことを考えられると思うからです。

授業担当者からのコメント:素晴らしい! このような鋭くて建設的な批判を、誰よりも当のパスカルさんがよろこぶでしょう。
                 あと、この考え方は、別の授業(実存主義哲学のハイデッガーの思想「死への存在」)で登場し
                 ます! 先取り!?


11月19日(火) 3I倫理

「考える精神」 

人を理性中心ではなく、心情中心で見ようと思った。なぜなら、人のことを深く考えられれば、今とは違った一面を見ることが
できるのかなと思ったから。

授業担当者からのコメント:「鋭く考えるのが頭(理性)」なら、「深く思うのが胸(心情)」なのかもしれませんね。両方、大事に
                 したいですね。


「人間」

理性と本能を持ち合わせているからこそ、人間は人間なのだと思った。なぜなら、どちらか一方にかたよってしまうと、それ
はもう人間ではなくなってしまうと思うからだ。

授業担当者からのコメント:これも、中庸や中道の大切さですね。