授業bP5 儒教A

T.Q.「孟子と荀子の共通点と相違点とは?」

T.A. 
孟子は性善説、荀子は性悪説。この二つが両者の大きな相違である。しかし両者の考えは、前者が礼に
よって導かれ、後者が礼によって矯正されるというものなので、「礼を重んじる」という点では似ている。礼を
道徳的なものとみなしたのが孟子の徳治主義で、刑法的なものとみなしたのが荀子であるといえる。

2020(R2)年度

9月9日(水) 3C倫理

「人間の本性は善」 ( )内は、授業担当者 

「どんな極悪人でも、赤ちゃんが井戸に落ちそうになっていたら思わず助けてしまう」というの(孟子の話)は、確かに(そうだ)と思った。そしてそれ
は、その人(極悪人)の偽(いつわ)り(や偽<よそお>い)のない本当の気持ちだと思った。

授業担当者のコメント:なるほどあなたは、「極悪人の顔」が仮面で「赤ちゃんを助ける惻隠の心(→仁)」が本性という考え方をしているのですね。ナ
                チス=ドイツの迫害を受けて、アウシュヴィッツの強制収容所で命を散らしたユダヤ人少女のアンネが、日記にこんな風に書いて
                います。「こんなにひどい時代でも、私は信じたい。人の本性は善なのだ」。…涙が出ます。

「君の大丈夫になりたい」  

人は、何かに挑戦している時が幸せだったと思えることだなと、自分も思った。だから、自分もチャレンジをたくさんしていきたい。小さくてもいいから、
誰かの大丈夫になりたい。

授業担当者のコメント:私も、教員採用試験に合格して先生になれた幸せ以上に、「よい先生」になるために頑張ったことが幸せだったと思います。そし
           今も、「よりよい先生」になるために工夫と努力で頑張ってい
る(挑戦している)ので、今が幸せです。

9月9日(水) 3K倫理

「(孟子の性善説)」 ( )内は、授業担当者 

自分は、孟子の性善説はいい考え方だと思った。なぜなら、人は生まれてきた時(時代)や場所(国や地域)、環境(文化や自然など)で変わってしまうが、
生まれた時は良心しかないと自分も思うから。

授業担当者のコメント:人が生まれてきた時代や国や文化で変わるなら、「よく」変わりたいと思います。もちろん、生まれつき持っている良心を大切に
                しながら。

「(他人から見たら悪)」 ( )内は、授業担当者 

自分が信じている善が他人から見たら悪だった場合、それは、性善なのか性悪なのか(について考えると、)私は性悪だと思います。なぜなら、自分が善だと
(思って、「これは善いこと」だと)言っていても、他人から見たら悪なら悪だからです。

授業担当者のコメント:これは、社会的な見方・考え方ですね。多数決で決めることのプラス面にも通じます。あなたには、良い意味の「大人っぽさ」が
                あると思います。

「生きることにチャレンジ」   

命はたった一つ。だから、どうせ生きるなら何事にも精一杯取り組み、誰よりも充実した生活を送られるように生きることにチャレンジしようと思った。

授業担当者のコメント:前回の授業に登場した「色即是空。空即是色」の考え方に通じる内容ですね。「ゲド戦記」のアランとテルーの会話を思い出しま
                す。「生きることを怖がらないで。生きることから逃げないで」。

2019(H31→R元)年度

9月6日(金) 3I倫理

「善と悪」 ※( )内は授業担当者

孟子の意見も荀子の意見も、どちらもなるほどなと思ったけれど、私は(人間の本性は)善でもあり悪でもあると思う。なぜなら、孟子も荀子も、最終的には善と悪の2つ
のことを話しているから。

「性悪説」

私は性悪説は少し違うんじゃないか、と思います。なぜなら、心からの良心が1ミリも無い人なんていないと思うし、みんながみんな、偽(よそおい)ではないと思うからです。

(「荀子の性悪説に賛成」) ※( )内は授業担当者

私は荀子の考え方に賛成です。なぜなら、人は必ずしも生まれつき善の心を持っているわけではなく、生まれてから学んで、どう行動すればいいかを考えるから善になれ
ると思うから。

「永遠の未完成が完成」

今日の授業で印象に残ったことが2つあって、それは「永遠の未完成が完成である」と「死刑で犯罪が減る」で、この2つのことについて考えさせられるアニメがあります。
それは、「デス・ノート」というアニメです。主人公が死に対する恐怖から、完璧な世界をつくろうとしていて、それが「永遠の未完成が完成」につながります。つまり、正しい
だけの世界をつくることは不可能であり、それは人が完璧な生物ではないからなのです。

9月9日(月) 3K倫理

「人間の生まれた価値」 ※( )内は授業担当者

人間は生まれた時は純粋なのに、なぜ成長して(大人になって)いくにつれて悪くなっていくのかを考えると、とても悲しくなった。だから、人間は何も知らない(大人になら
ない)方がいいのではないかと思った。

授業担当者からのコメント:絵本作家の五味太郎さんが著書『勉強しなければだいじょうぶ』の中で書いている、次の言葉を紹介します。
                 「五味太郎の仮説。生物は魂のピークの時に生まれ出る。そして、その高みから落ちないように抵抗するのが生きるということ。頭でっかちだと
                 落ちやすい。システムにとらわれると落ちやすい。チーターを見よ。シンプル。共生という感覚も、『いっしょに漂っていようよ』なのでは?」
                 どうですか? 「ぶっ飛んだ考え方」だと思いせんか? こういうの、「ロックンロール(ロケンロール?)!」って感じ。


「荀子」

私は荀子の、「人間の本性は悪」という考え方が、なるほどなあと思いました。なぜならば、ほとんど全ての人間が、良いことよりも悪いことを考えると思うからです。「僕の
ヒーローアカデミア」というアニメに、「ワン・フォー・オール」という正義のヒーローと「オール・フォー・ワン」という悪の敵が出てきます。才能(?)のない主人公が、努力して
ヒーローになることを目指すといういい話なので、先生も暇があれば是非観てください。

授業担当者からのコメント:「僕のヒーローアカデミア」、ネットの動画で観ました。「永遠の未完成こそが完成である」(今日の授業で言うと、「君子を目指してトライを続ける
                 大丈夫こそが君子」)と書いている宮澤賢治のスピリットに通じる世界観を感じました。