授業bP5 儒教A
T.Q.「孟子と荀子の共通点と相違点とは?」
T.A.
孟子は性善説、荀子は性悪説。この二つが両者の大きな相違である。しかし両者の考えは、前者が礼に
よって導かれ、後者が礼によって矯正されるというものなので、「礼を重んじる」という点では似ている。礼を
道徳的なものとみなしたのが孟子の徳治主義で、刑法的なものとみなしたのが荀子であるといえる。
2022(R4)年度
9月9日(金)
「(孟子と荀子、それぞれのよさ)」
孟子の仁を強調する考え方は、いいと思った。しかし、荀子の礼を強調するという考え方も、「努力して悪にブレーキを
かければいい」という点も、すごくいいと思った。
授業担当者のコメント:仁と礼を分けて考えてみましょう。仁が誰もが生まれつき持っている「優しさや思いやりの種」で、
礼が誰もが生まれた後のいろんなことを経験して身につけることができる「エチケットやマナー、
ルールを大切にする礼儀の種」なのかもしれませんね。あ、やっぱり「先仁後礼」じゃん!
「偽善者」
私は、孟子より荀子の性悪説の方が正しいと思う。なぜなら、人間は多くの人が偽善者だと思うから。だけど、多くの人が
悪に対してブレーキをかけられるから、世界はまだ平和なんだと思う。
授業担当者のコメント:今のウクライナ戦争で、多くの人々がロシア(というよりプーチン大統領)にブレーキをかけている
のも、人間の本質的(性悪説の性=人間の本性<ほんしょう>)な悪に対して、荀子が主張する
「人為的なつくろい・よそおいの善」が発揮されているということなのですね。荀子の現実主義には、
「理想を目指して、現実に可能なことを、断固としてやり抜く」という理想主義が入っていますね。
2021(R3)年度
9月10日(金) 3I倫理
「大丈夫」 ※( )内は授業担当者
大丈夫が、「君子になるために頑張っている人」ということを知ることができた。(そして、)私も、大丈夫になれるように
したいです。
授業担当者のコメント:私の経験で言うと、教員採用試験に合格して先生になれた時のうれしさ以上に、先生という仕事を日々
頑張って「今日はいい授業ができた」とか「今日はいい部活ができた」と思う時のうれしさが大きいです。
「考え方」 ※( )内は授業担当者
自分にとって大切な人がいるので、その人と一生、一緒にいたい。(だから、)思いやりの心を持って、(その人と)関わって
いきたいし、(その人を)大切にしたいと思いました。
授業担当者のコメント:あなたの仁の心(まごころ<忠>とおもいやり<恕>)が、ストレートに伝わってくる「ウルトラ80」
です。「その人」もあなたも、私にはうらやましいです。お幸せに!
「仁と礼」
先生の考えが、分かった気がします。(なぜなら、)「仁(の行為)で生徒の名前を覚えたりしてから、礼(として)のマナーや
ルールを守らせる」っていうのに、すごく納得できたからです。
授業担当者のコメント:私の考えを分かってもらって、メッチャうれしいです。そんな風に、私も誰かの大丈夫になれていると
したらメッチャ幸せです。
「チャレンジャー」 ※( )内は授業担当者
君子になるために頑張ることは、とても大切なことだと分かった。また、障害者の人達のことを(英語で)「チャレンジャー・
パーソン」と呼ぶことに、すごく驚いたが、納得した。
授業担当者のコメント:上のコメントと同じです。一緒にこの考え方を、もっと広めていきましょう! 「障害を持つ人も持た
ない人も、今を生きる『チャレンジャー・パーソン』。その障害(ハンディキャップ)やそこから生ま
れる壁(バリヤー)は、挑戦することで自分自身を成長させることのできる『人生課題』としての負荷」。
「障害を持っている人に世の中が光を当てるのではなく、障害を持っている人が世の中の光として輝く
ことができるようにしよう」(日本の「障害福祉の父」糸賀一雄の言葉より)。
9月13日(月) 3K倫理
「四端」 ※( )内は授業担当者
四端は、生まれつき皆が持っているもの(道徳という花を咲かせる種のようなもの)です。(そして、)それは人によって割合は
違うが、皆が全体に持っているものだから、この四端をとても大切にすればよいと思う。
授業担当者のコメント:四端を「種」と考えたら、せっかくそれを自分の中に持っているのに、咲かすことができないで終わる人も
いるのでしょう。「人によって割合が違う」というのも、今は割合が小さい人でも、頑張って割合を大きく
すれば「道徳という花」を咲かせることができるのでしょう。私はそれを信じて、教育という大好きな仕事
に取り組んでいます。
「偽善」 ※( )内は授業担当者
人間は、表ではいい顔をしていても、裏では悪口を言っていたりする人が多い。(だから、)皆、仮面をかぶっているのかなと思った。
授業担当者のコメント:私は違う考えを持っています。つまり、「人間は、表(人に見られている時や場所)ではカッコつけてワル
ぶっていても、裏(誰も見ていない時や場所)では優しくて正直な人が多い」。あなたは、「偽悪(ワルぶる
こと)」という言葉を知っていますか?
「偽善」 ※( )内は授業担当者
人間はみんな偽善者だと思う。なぜなら、「助けた人の笑顔を見たい」と言っている人も、「自分が助け(てやっ)た」という優越感
に浸りたいと、心の奥で思っているから。
授業担当者のコメント:私は違う考えを持っています。つまり、「人間はみんな(ほとんどの人が)感謝の心を大事する人だと思い
ます」。あなたには、うれしいから感謝するだけでなく、感謝するからうれしくなるということがありませんか?
それはまるで、うれしいからスキップするだけでなく、スキップするからうれしくなることがあるように。
「してもされてもうれしいこと、それは感謝」だと思いませんか?
2020(R2)年度
9月9日(水) 3C倫理
「人間の本性は善」 ※( )内は、授業担当者
「どんな極悪人でも、赤ちゃんが井戸に落ちそうになっていたら思わず助けてしまう」というの(孟子の話)は、確かに(そうだ)と思った。そしてそれ
は、その人(極悪人)の偽(いつわ)り(や偽<よそお>い)のない本当の気持ちだと思った。
授業担当者のコメント:なるほどあなたは、「極悪人の顔」が仮面で「赤ちゃんを助ける
チス=ドイツの迫害を受けて、アウシュヴィッツの強制収容所で命を散らしたユダヤ人少女のアンネが、日記にこんな風に書いて
います。「こんなにひどい時代でも、私は信じたい。人の本性は善なのだ」。…涙が出ます。
「君の大丈夫になりたい」
人は、何かに挑戦している時が幸せだったと思えることだなと、自分も思った。だから、自分もチャレンジをたくさんしていきたい。小さくてもいいから、
誰かの大丈夫になりたい。
授業担当者のコメント:私も、教員採用試験に合格して先生になれた幸せ以上に、「よい
今も、「よりよい先生」になるために工夫と努力で頑張っている(挑戦している)ので、今が幸せです。
9月9日(水) 3K倫理
「(孟子の性善説)」 ※( )内は、授業担当者
自分は、孟子の性善説はいい考え方だと思った。なぜなら、人は生まれてきた時(時代)や場所(国や地域)、環境(文化や自然など)で変わってしまうが、
生まれた時は良心しかないと自分も思うから。
授業担当者のコメント:人が生まれてきた時代や国や文化で変わるなら、「よく」変わり
しながら。
「(他人から見たら悪)」 ※( )内は、授業担当者
自分が信じている善が他人から見たら悪だった場合、それは、性善なのか性悪なのか(について考えると、)私は性悪だと思います。なぜなら、自分が善だと
(思って、「これは善いこと」だと)言っていても、他人から見たら悪なら悪だからです。
授業担当者のコメント:これは、社会的な見方・考え方ですね。多数決で決めることのプ
あると思います。
「生きることにチャレンジ」
命はたった一つ。だから、どうせ生きるなら何事にも精一杯取り組み、誰よりも充実した生活を送られるように生きることにチャレンジしようと思った。
授業担当者のコメント:前回の授業に登場した「色即是空。空即是色」の考え方に通じる
す。「生きることを怖がらないで。生きることから逃げないで」。
2019(H31→R元)年度
9月6日(金) 3I倫理
「善と悪」 ※( )内は授業担当者
孟子の意見も荀子の意見も、どちらもなるほどなと思ったけれど、私は(人間の本性は)善でもあり悪でもあると思う。なぜなら、孟子も荀子も、最終的には善と悪の2つ
のことを話しているから。
「性悪説」
私は性悪説は少し違うんじゃないか、と思います。なぜなら、心からの良心が1ミリも無い人なんていないと思うし、みんながみんな、偽(よそおい)ではないと思うからです。
(「荀子の性悪説に賛成」) ※( )内は授業担当者
私は荀子の考え方に賛成です。なぜなら、人は必ずしも生まれつき善の心を持っているわけではなく、生まれてから学んで、どう行動すればいいかを考えるから善になれ
ると思うから。
「永遠の未完成が完成」
今日の授業で印象に残ったことが2つあって、それは「永遠の未完成が完成である」と「死刑で犯罪が減る」で、この2つのことについて考えさせられるアニメがあります。
それは、「デス・ノート」というアニメです。主人公が死に対する恐怖から、完璧な世界をつくろうとしていて、それが「永遠の未完成が完成」につながります。つまり、正しい
だけの世界をつくることは不可能であり、それは人が完璧な生物ではないからなのです。
9月9日(月) 3K倫理
「人間の生まれた価値」 ※( )内は授業担当者
人間は生まれた時は純粋なのに、なぜ成長して(大人になって)いくにつれて悪くなっていくのかを考えると、とても悲しくなった。だから、人間は何も知らない(大人になら
ない)方がいいのではないかと思った。
授業担当者からのコメント:絵本作家の五味太郎さんが著書『勉強しなければだいじょうぶ』の中で書いている、次の言葉を紹介します。
「五味太郎の仮説。生物は魂のピークの時に生まれ出る。そして、その高みから落ちないように抵抗するのが生きるということ。頭でっかちだと
落ちやすい。システムにとらわれると落ちやすい。チーターを見よ。シンプル。共生という感覚も、『いっしょに漂っていようよ』なのでは?」
どうですか? 「ぶっ飛んだ考え方」だと思いせんか? こういうの、「ロックンロール(ロケンロール?)!」って感じ。
「荀子」
私は荀子の、「人間の本性は悪」という考え方が、なるほどなあと思いました。なぜならば、ほとんど全ての人間が、良いことよりも悪いことを考えると思うからです。「僕の
ヒーローアカデミア」というアニメに、「ワン・フォー・オール」という正義のヒーローと「オール・フォー・ワン」という悪の敵が出てきます。才能(?)のない主人公が、努力して
ヒーローになることを目指すといういい話なので、先生も暇があれば是非観てください。
授業担当者からのコメント:「僕のヒーローアカデミア」、ネットの動画で観ました。「永遠の未完成こそが完成である」(今日の授業で言うと、「君子を目指してトライを続ける
大丈夫こそが君子」)と書いている宮澤賢治のスピリットに通じる世界観を感じました。