授業bP4 儒教@

T.Q.「孔子の説く仁と礼の関係とは何か?」

T.A. 
孔子は「克己復礼こそが仁」だとした。人と人の間に生まれる思いやりが仁であり、人と
人が生きていく中で個を抑え、社会のために行動することを礼とした。孔子は、個を社会
の中で生きる存在だととらえ、個が良くなることで社会が良くなる(「修身斉家治国平天下」)
とした。

2022(R4)年度

9月6日(火) 

「(道徳と世界平和)」 ( )内は授業担当者

私は、孔子の考え方が好きです。なぜなら、私も「みんなが利他的な考えを持ち、道徳的になれば、世界は必ず平和になる」と思う
からです。

授業担当者のコメント:授業でも紹介しましたが、今、「利他」という言葉=考え方や行いは、「トレンド」(世の中に必要とされて
           流行している物事)
です。その証拠に、大きな本屋さんに行くと利他に関係する本が「平積み」(売れ線の本。
           店長の「推し」本)されていることに気
付きます。それはコロナウイルス感染症の世界的な流行や半年以
           続いているウクライナ戦争、深刻化する気候変動などを背景と
した「生きることの不安」の高まりにあるのでは
           ないでしょうか。
あなたや孔子の理想主義とは、「現実に目をそむけずに、理想を求める」という、現実主義の
           良い点も取り入れた有効な考え方だ
と思います。ステキです。

「仁の成り立ち」 ( )内は授業担当者

先生が作った「教育は、『先仁後礼』」という言葉が良いなと思った。(なぜなら、)礼だけをただ教えられたとしても、仁が感じられ
なければ礼(エチケットやマナー、ルール)を守ろうとは思わないし、やろうとも思わないから。

授業担当者のコメント:ありがとうございます。以下は実話です。自習中にガムを噛んでいた生徒がいて、自習監督の私が、「そこの生徒! 
           ガムを口か
ら出しなさい!」と厳しく叱ったら、無視されるだけでなく軽蔑の目でにらまれた。後日、その生徒の
           名前を覚えて、同じ様な状
況で「〇〇君、自習も授業だし、自習中にガムを噛んでいるのはNGだよ」とおだやかに
           注意したら、素直にガムを口から出してくれた。
「仁が先。礼は後」という考え方は、教育や学校だけではなくて、
                全てのコミュニケーションの基本かもしれませんね。他者にはいつでも、「ちゃんと人として接する」という意味で。

2021(R3)年度

9月7日(火) 3I倫理

「克己(こっき。己に克つこと)」 ( )内は授業担当者

私の中学校の部活のスローガンは「克己」でした。練習している時もそうだし、試合や(部活以外の)学校生活などの中でも、
己に克つことが大切だと教えられてきました。(だから、)今でも色んな場面で大切だと思います。 

授業担当者のコメント:授業でも紹介しましたが、星稜高校のバドミントン部の部旗に書いてあるスローガンも、孔子が仁と礼
           の関係を説明した言葉とし
て知られる「克己」です。その意味は、誰もが持っている、辛いことから
           逃げたいとか自分さえよければいいという「弱い自己」
を克服することで、確かに星稜の生徒にはラリー
           やゲームを最後
まで諦めないという粘り強さを感じます。

「己の欲せざるところを、人に施すなかれ」 ( )内は授業担当者

「自分がプレゼントをもらったらうれしいから、人にもプレゼントする。(そして、)自分がいじめられたら嫌だから、人にも
(そんなことを)やらない。

授業担当者のコメント:この「ウルトラ80」の前半は、イエスの言葉(「人からして欲しいことを、人にせよ」)の具体的な
           例ですね。分かりやすくて、
素晴らしい「ウルトラ80」だと思います。

「君子と小人」 ( )内は授業担当者

僕はあまり(自分が)君子だとは言えないと思いました。(しかし、)これから就職とかがあるから、君子になれるように努力
していこうと思いました。

授業担当者のコメント:努力だけでなく工夫もして、就職試験を頑張ってください。面接官は「面接のプロ」なので、あなたの
           持ち味をしっかり伝えられ
るように準備と練習を積み上げておいてください。

9月8日(水) 3K倫理

「死して尚生きる」 ※( )内は授業担当者 

私は孔子の思想は初めて知ったけど、とても納得させられました。(また、)後世にまで残っているということには、人を惹きつけ、
死んでも生きるものがあるからなんだなと思いました。

授業担当者のコメント:あなたの書いてくれたことで思い出したのが、ハーシェル(1819世紀イギリスの天文学者)が友人に
           語った次の言葉です。「わ
が愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより世の中を
           少しなりともよくして往こうではないか」。人が死んで遺(のこ)すことのできる「レガシー」は財産や
           名誉ではなく、孔子やソクラテスのように「世の中を少しなりともよくするために頑張った生き様」なのだ
           と思います。

「小人(しょうじん)」 ※( )内は授業担当者

小人の対義語は大人(中国語で「ダーレン」)かと思っていた。しかし、孔子が考えた(仁や礼の道徳を発揮して生きる)人は「大人」
ではなく君子だと知った。(だから、私も)君子のような形(の生き方)を目指したい。

授業担当者のコメント:調べてみました。大人「ダーレン」は「有力な指導者」のような意味で、君子「人間的に完成された人格者」
           とは区別されるようです。大人「ダーレン」の中には、君子にはほど遠い人も多いかも…。

「君子」 ※( )内は授業担当者 

私は小人(しょうじん)みたいな感じになることがあったりする。(だから、)私は君子になって、理想的に生きたいと思った。
でも、「この思いは小人みたいな考え方なのかなぁ」と、意味が分からなくなった。

授業担当者のコメント:あなたは、次の授業に登場する「大丈夫」なのですから、大丈夫!

2020(R2)年度

9月4日(金) 3C倫理

「君子と小人」 ( )内は、授業担当者 

人は「(自分が)してもらって嬉しい事を相手にしろ」と言うが、人は「人からしてもらった事」はすぐに忘れ、「人にしてあげた事」は思えている
と思う。なぜなら、そういう(いやな)経験を(私は)何度もしたからだ。

授業担当者のコメント:この「ウルトラ80」の内容は、心に刺さりました。世の中には、「君子が少なくて小人が多い」ということなのでしょうか。それ
                でも私は、いや、だからこそ私は「自分が人にしてもらいたいことを、人にしよう」と思います。一緒に頑張りませんか?

「温故知新」 ( )内は、授業担当者

「故(ふる)きを温(たず)ねて、新しきを知る」というのは、自分にも当てはまると思いました。なぜなら、自分の過去を(考えて)見て(振り返って)、
自分を成長させるという考えが私にあるからです。色々な経験をして、成長していけたらいいなと思いました。

授業担当者のコメント:「歴史(過去)に学んで、現在と未来をよくする」という考え方は、世の中や社会全体にも、一人の個人にも大事なことですね。

9月7日(月) 3K倫理

「尊重」 ( )内は、授業担当者 

私も誰かのことを尊重しようと思った。なぜなら、人に嫌なことをしたら(自分に)返ってくるから、自分がされて嬉しい行動をとろうと思った。

授業担当者のコメント:この「ウルトラ80」には、孔子の言葉(「己の欲せざるところを、人に施すなかれ」)とイエスの言葉(「人からして欲しいこ
とを、人にせよ」)の両方が入っていますね。名作です。

「(母校の校訓)」 ( )内は、授業担当者 

私の小学校・中学校の校訓が、「智・仁・勇」という3文字でした。なので、今回の授業の内容は、それを思い出させるものでした。

授業担当者のコメント:この校訓は、安宅の関所にある義経と弁慶と富樫の銅像のための石碑に書かれた言葉ですね。ちなみに「智」は、次の授業(孟子
の思想)で登場します。

2019(H31→R元)年度

9月4日(水) 3K倫理

「孔子と『怪力乱神を語らず』」

儒教には「怪力乱神を語らず」という考え方があることに、驚いた。なぜなら、宗教では神秘的なことや死後の世界について考え・信じることが普通だと思っていたからだ。

授業担当者からのコメント:儒教は孔子を神や仏のように崇拝する宗教で、これは元来純粋に学問だった儒学(儒家の思想)が、漢の時代に宗教化したものです。よって
                 宗教になる以前の儒学は、古代の時代や社会では珍しいことですが、合理的(科学的)な思想が中心の学問だったと言えます。孔子、グッジョブ!