授業№5 ソクラテス

T.Q.「ソクラテスの説く問答法とはどういうものか?」

T.A.        
問答法とは、他者と対話することで真理をともに探究する方法である。対話することで相手に無知を自覚
させ、真の知を生み出させることから、産婆術にたとえられている。たえず自分自身を反省し、自らの独断
を避けようとする問答法の態度から、現代の言論の自由や民主的な考え方が生まれている。

2022(R4)年度

5月10日(火)

「(金と地位)」 ※( )内は授業担当者

「魂への配慮」(のところ)で、「金とか地位だけに心を配るのはNG」ということを聴けて良かった。(なぜならば、)
今の自分は「金と地位が手に入ればそれでいい」と思っていたので、改善できるそうだからだ。

授業担当者のコメント:大事なきっかけになる授業になって良かったです。あと、ソクラテスは「金や地位に心を配ること」
           自体をダメだとは言っていな
いことに注意をしたいですね。そして「改善」って、「悪法も、ま
           法なり」のところでも出てきましたね。トヨタ自動車の優れた
企業活動から生まれて、世界中に
           広がった言葉「カイゼン」とい
う話の中で。

「(無知について)」 ※( )内は授業担当者

ソクラテスの「無知の知」というのは、素晴らしいと思う。だけど、無知を自覚した後、何をするのかが私は大切だと思う。
私は「この世で一番おそろしいことは、無知なことだ」という言葉が好きです。

授業担当者のコメント:なるほど…。無知(知らないということ)には、あなたが書いてくれた様な大きなマイナス面がある
           のですね。「この世で一番お
そろしい無知」とは、偏見とセットの無知(「無知と偏見」)だと思い
           ます。ヘイトスピーチや外国人差別につながるような。

「(よく)生きる」 ※( )内は授業担当者

「よく生きる」と聴き、自分の名前を思いました。(そして、)自分の名前の事を言っているみたいで、複雑な気持ちだった。

授業担当者のコメント:あなた(の名前)とのコラボレーション(「共同作品」)的な授業ができて、うれしかったです。
           あなたの名前には、ソクラテス
の魂が生きているような…。

2021(R3)年度

5月10日(月) 3K倫理

「死ぬことで永遠に生きる」

今日、先生が最後に言っていた「死ぬことで永遠に生きる」ということは、そうだなと思った。なぜなら、コロナで
死んだ有名人などが、国民みんなの心に生き続けていると思ったからだ。

授業担当者のコメント:「人間は2度生まれる。1度目は単なる生物としてのヒトとして、2度目は個性を持った自分
           自身として」と言ったのはルソーでしたが、「人間は2度死ぬ。1度目は肉体の死として、
           2度目は魂の死として」とも言えるかもしれませんね。「魂の死」とは、人々から忘れ去られて
           しまうことなのではないでしょうか。あなたが亡くなった誰かのことを覚えていれば、その人の
           魂は生き続けているのです。私にもそんな誰かが何人か存在します。

「知りたいこと」 ※( )内は授業担当者

(私たちは)今頃の年代になると、難しい言葉を使おうとする人がたくさんいると思う。しかし、それもまたソクラテス
の言う「無知の知」(の大切さとは真逆)だと、今日の授業で気づかされた。

授業担当者のコメント:なるほど。「知ったかぶり」と「難しい言葉を使いたがる人」には、確かに共通点(知識をひけら
           かして偉そうにしている…みた
いな)がありますね。私も、気をつけたいと思います。

「理解」

今日の授業は、理解しようと思って頑張って聴いていたら理解できて楽しかった。だから、次もしっかり授業を受けようと
思った。

授業担当者のコメント:おめでとうございます。あなたは、ソクラテスが大切にした「よく生きる」という生き方を、
           私の倫理の授業で実践できたのです
ね。そして、ありがとうございます。今回の授業は、あなたと
           私
のコラボレーション(共同作品)になったということですね。

「ソクラテス」

ソクラテスは無知の知を人に自覚させたということが、すごいと思った。でも、死刑が決まった時に素直に死を受け入れる
という考え方は、少し違うという気がした。

授業担当者のコメント:ソクラテスが「素直に死を受け入れた」ように思われたのには、次のような理由があります。一つは、
           「魂は不滅だから、死は怖
くない」と考えたから。そしてもう一つは、「『悪法もまた法なり』と
           言い残して死んでいくことで、アテネの人々に反省(魂へ
の配慮を大切にして、「よく生きること」)
           を促したということ
です。

5月11日(火) 3I倫理

「無知の知」 ※( )内は授業担当者

「私は善や美の真理を知ってはいない」の所で、「知りたいという気持ちは、分かっていないから出る気持ち」ということが、
単純だけどすごく大事だと思いました。(なので、私も「分かっていないことを分かっていないと自覚すること」を大切に
します。)

授業担当者のコメント:「永遠の未完成こそが完成である」と言ったのは、『銀河鉄道の夜』で知られる宮沢賢治です。完成を
           目指して頑張ること(努力
と工夫)それ自体に、本当のよろこびや自由、そして幸福があるのかもしれ
           ませんね。達成感もいいけど、途上感も大事にしたい
です。自己満足や、「練習のための練習」になら
           ないように気を
つけながら…。

(「心」) ※( )内は授業担当者

「心って重いのよ」というソフィーの言葉が、すごく心に残りました。そして、(フィロソフィア「愛知」→英語のフィロソフィー
「哲学」の)「知」とは、「知識」というより「知恵」という意味であることを、初めて知りました。

授業担当者のコメント:ジブリ作品には、「心に刺さる」セリフがいっぱい登場しますね。あと、知恵(または、智恵)という
           言葉には、知識という言葉か
らは伝わらない「優しさや思いやり」の心が入っていると思います。本校の
           3訓の一つ「知性を磨き、目に光りあれ」の「知性」
も、そのようなものであって欲しいです。

「アレテー(道徳)」 ※( )内は授業担当者

人の前に立つ立場になった時に、人を自分の思い通りにするのではなく、人の心や道徳を大切にしていくことが必要だと思った。
そして、それによって真の知に近づくことができると思う。

授業担当者のコメント:おお、まさにソクラテスの教えを「自分事」として受け取っていますね。あなたは将来、立派なリーダー
           になる人材(人財)なの
でしょう。頼もしいです。

2020(R2)年度

6月17日(水) 3K倫理

「ゴール」

私のゴールは志望校合格でも、卒業することでもなく、まだ決まってすらいない。つまり、私はこれからも成長し続け、夢を叶えた後も新たな夢を追い続
けるだろう。

授業担当者のコメント:あなたは、「現代のソクラテス」です。そしてソクラテスなら、こんな「ウルトラ80」を書くのかもしれませんね。「私のゴー
                ルは若者たちに無知を自覚させて真の知を追究させることでも、アテネの人々に魂への配慮をうながしてよりよい国を作ってもら
                うことでもなく、まだ決まってすらいない。つまり、私はこれからも(あなたと同じ)」。

「善」

「やらない善より やる偽善」という言葉をたまに耳にする。しかし、なぜかこの言葉には矛盾があるような気がする。

授業担当者のコメント:「1日1偽善」「売名の泉谷」と公言して、照れ隠ししながらチャリティーコンサートを続けていた泉谷しげる(シンガーソング
                ライター、俳優)の格好良さを思い出しました。やっぱり、大事なのは「助けないではいられない心」なのではないでしょうか。

「知ったかぶり」

知ったかぶりでもいいと思った。なぜなら、そこで自分は分からないことを自覚して、調べたり、人に聞きに行ったりするかもしれないから。

授業担当者のコメント:なるほど、「知ったかぶり」がバレて恥をかくことで、「無知の知」を自覚するきっかけになることもあるということですね。
           去年の文化教室「夢を叶えるゾウ」の、「(すべて物事)運がいい」という考え方を思い出しました。今のコロナ危機も「運がいい」
           と思えたらいいですね。もちろん、亡くなった人や今つらい思いをしている人、そしてその周囲の人たちの気持ちにも心を配りながら
           ですが。

6月19日(金) 3C倫理

「(ソクラテスの魂)」 ( )内は、授業担当者

今日(の授業)で、何かを得られたように感じています。そして、ソクラテスが本当に素晴らしい人間だったんだなと思いました。死を恐れずに、(自分が
死んでみせることで)他の人達が(よく)変わるなら(それでよい)という考え方がとても好きです。

授業担当者のコメント:この「ウルトラ80」を、ソクラテスに読んでもらいたいです。きっと、すごく喜んでくれると思います。あなたの魂とソクラテ
                スの魂が、響き合っていますね。

「法」 ( )内は、授業担当者  

(私は)学校のきまりに満足していない。だから、やり過ぎはいけないけど、ちょっとした提案をしてみるのもいいと思った。

授業担当者のコメント:ソクラテスの「悪法(あっぽう)もまた法なり」という言葉について、深く考えて書いた「ウルトラ80」ですね。きまりやルール
           そのものは、必要条件として学校にも無くてはならないでしょう。しかし、きまりやルールのよくないところ(ブラック校則など)は、
           廃止したり修正していくべきだと私も思います。

「ソクラテス」 ( )内は、授業担当者  

分からないことを「分からない」と分かっていれば、初めてスタートに立てる。 だから、私もソクラテスのように、魂に配慮しながら「よく生きて」みよう。)

授業担当者のコメント:短い文章でしたが、とてもいいなぁと思ったので、私の想像で「ウルトラ80」として完成させてみました。あなたと私のコラボレ
                ーションになりました

2019(H31→R元)年度

5月13日(月) 3K倫理

「自分らしさ」

いくら知恵がある人でも、人間にとって一番大事なことは分からないと知った。すなわち、完璧な人はこの世にいないということなので、自分は自分なりに頑張ろうと思う。

「ソクラテス」 

ソクラテスは、「こういう生き方がいい」と示してくれた。だから、すごく参考になったし、「あなたも自分の生き方を見直したらいいよ」と教わった。