YUKIE.Y(K)の「北欧紀行」   
                                                vol.4 05.2.28 


北欧の旅

  (4)ノルウェー オスロ編

 オスロの空港に着いて思ったのは、新しい空港ということなのでキレイだということと、

木をやはり多用していること、そして従業員に占める「非白人=移民」率の高さでしょうか。


 空港からバスに乗ったのですが、スウェーデンとの違いは空港を離れてしまうと何もない

ところをかなり長く走り、そこには時折農家の小屋がポツンとあり、それ以外はずっと赤紫

の野草が咲き乱れていました。オスロに近づくとようやく工場と郊外団地のようなものがあ

り、それを越えるとオスロ市街と、いうわけです。



 オスロの印象はストックホルムとは真逆で、かなり雑然としているな、というものでした。

非常に緑が多いのですが、アメリカや日本的な都市、という印象でした。建物もかなり雑然

としたもので、日本の都会よりはマシにしてもあまり美しいとは思いませんでした。



 「ノルウェーの森」で知られる村上春樹氏はストックホルムが大好きらしいのですが(ジ

ャズの良いレコードが多いからだそうです)、オスロの印象としては「予想外に都会的で北

海油田の恩恵か、ストックホルムより洗練された印象」というようなことを書いていました。

私はストックホルムのほうが洗練されていますし、優雅さがある、と思いましたが、活気と

いう点では僅差ながらオスロに軍配を上げると思います。


 私は数年前にイギリスのコメディ集団・モンティパイソンのビデオを見て、「コンチキ号

の冒険」のパロディに大うけし(コンチキ号は知らなかったですが、それでもおもしろいコ

ントでした)、オスロ郊外の「コンチキ号博物館」へ行きたかったのですが、時間の問題で

断念しました。その博物館のある地区はバイキング船の博物館もあるようだったので、また

行くことが出来ればぜひ行きたいものです。



 それで、ムンクの「叫び」がある国立美術館へ行きました。美術館は無料ですが、入館の

際に荷物を預けねばなりません。その時には気づかなかったのですが撮影は良いらしいので

残念なことをしました。内部はヨーロッパの猛暑のため蒸し風呂状態。少し保存状態に不安

を抱きました。わりに内部はいりくんでいて、ムンクの部屋がわからなかったのでレオナル

ド・ディカプリオ似の警備員に場所を聞くことにしました。



 私はあまりムンクは好きではなかったのですが夫は非常に楽しみにしておりました。しか

し本物を見たら、好きとかきらいという感情はなくなりました。やはり迫力のようなものを

感じたからです。



 ムンク以外ですと夫は「ダール」という風景画の画家が良かったようです。他にはノルウ

ェーの画家ばかりでなく印象派やピカソとかがありました。


 帰りに大型レコード店に寄りました。ノルウェーを代表するロックバンドであり、日本に

おいては
’Take On Me’(1985)で知られる a-ha CDを記念に買おうと思ったのです。

買おうと思ったのは日本では輸入盤のみの発売になっている2002年のライブ盤でしたが、

評判の悪いコピーコントロール
CDでしたので断念しました。その店内で印象深かったのは

どうやら東南アジア・ルーツと思われる目つきの悪い少年が見るからに万引きしようとして

いるところを目撃したことです。目が合ってしまったのですが、そのときの彼の目の鋭さは

忘れられません。


 疲れていたのでホテルで食事をし、早く寝ることにしました。テレビをつけたら、大島渚

監督の「御法度」というのをやっていました。ノルウェー語字幕つきです。日本ではまず見

ようとは思わない映画でしたが、日本語映画がなんだか懐かしく、最後まで見てしまいまし

た。まあなんだか変な映画でしたが、異郷で見るとなんだかおもしろいものでした。


 ほんとにその日は早く寝ました。翌日起きたのは4時半でしたが当然もう明るいわけです。