『黒澤明と「七人の侍」』(都築 政昭著 朝日文庫) ※書き込み等コメント


P.55

「創造というのは記憶ですね。自分の経験やいろんなものを読んで記憶に残っていたものが足がかりになって、

 何かが創れるんで、無から創造できるはずがない」(『悪魔のように細心に! 天使のように大胆に!』)

※「記憶+想像=創造」? 想像と創造を結びつけるのが、記憶? 記憶と歴史…。


「『七人の侍』のあのリアリティと膨み(ママ)は、長年世界文学に親しんできた黒澤の分厚い教養が大きな肥し

 (ママ)になっている。」

※「己の事だけを考えて、勝手な事をする者は、この村だけでなく、己をも滅ぼす者だ」(あのシーンの勘兵衛の

 台詞を想起)。



P.191〜192

黒澤は「映画の編集について」(キネマ旬報・1948年1月下旬号)でリズムについて次のように記している。


「テンポというか、リズムというか、観客の感情をスクリーンに結びつけて離さないためには、フィルムの流れに、

 ある快い運びをつける必要がある」


「映画の内容だけでは、観客をスクリーンに結びつけて離さない訳にはいかない。苦渋に満ちた内容でも観客の

 目をスクリーンから離させない運びが必要である。」


「リズムに乗せて話をすすめることは、話をよく理解させるコツである。このリズムは一種の対立から生まれる。

 人物と人物、人物と事物や状況のぶつかり合いからリズムは生まれる。」

※授業のナラティブ「語り」も同じ。

2007.3.25